4月2日(土曜) 晴天 メンバー:3名(内会員2名)
白山の冬、滝つぼに大きな氷の壺ができると言うことで近頃、頻繁にマスコミなどで紹介されるようになった「百四丈の滝」を、俗化しない今のうちに見に行こうと決める。
1泊2日の予定であったが、3日の天気悪化が明白なため近くで泊まっても3日に滝まで下りることができないし、見ることもできないだろうと、天気のよい間に往復することにする。
一里野スキー場の当てにしていたゴンドラは、スキー場終了のため動いていないので、明け方5時に出発する。加賀新道の登山道がある尾根を登るが、まだ一面深い雪が残っている。おまけに早朝のためカリカリに氷っている。アイゼンを付け1時間余りをかけてゴンドラ終点まで登る。斜め左手前方に檜新宮参道のある尾根と合流する「しかり場分岐」のジャンクションピークらしきものが見えるが、はるか彼方である。
氷った斜面は歩きやすい。2時間ほどでピークに着くと白山が全容を現す。さすがに雪が多く、北アルプスの荒々しさとはまた違った山様を見せている。これから登る加賀禅定道の尾根は左側へ張り出した雪庇が至るところで崩れ落ちている。
長倉山辺りからは、右側斜面のトラバースが続き、力がかかる右足の小指右側面や足首の左側内側に靴擦れのようなキツい痛みを覚える。いくつもの上り下りを繰り返し、奧長倉避難小屋に着いた頃には、結構疲れていた。足が余りにも痛いと言うメンバーを避難小屋に待たせて、二人で今までにない急な斜面が続く美女坂を登る。山スキーの競技用器具を持った2人に出合うが、「雪が悪いのでこの斜面滑降は止めときます。」と。お互いの情報交換をして分かれる。
さらにトレースの不明瞭な急斜面を登ると、広い平らな斜面に出た。踏み跡もなく、人の気配が感じられないきれいな広大な斜面である。斜面の向こうに七倉山と大汝峰が聳えている。七倉山は風がきついのか、尾根筋にはハイ松が露出しているのが見える。この広い平原は、悪天候だったら強風とホワイトアウトでどうにもならないような斜面である。百四丈の滝まで下りて戻ってきたという2名の登山者と出合う。稜線から滝までの所要時間は、往復2時間余りとのこと。今日中に下山する我々には2時間は無理。予定どおり稜線から滝を眺めて引き返す。
まだアイゼン歩行が十分でないパートナーは、苦労している。「そら、急斜面は、登りより下りの方が怖いワ!」何とか奧長倉山まで下りてきてホッ!と一安心。その間にも登って来る何パーティーかに出合う。大丈夫かいな??と思われるパーテーもある。ネットで拡散しているだろう、見ている方が怖い!
小屋に戻り、待たせたメンバーと合流して急いで下山する。途中、何パーティーにも出合う。確か避難小屋の定員は、20名だったように思う。すでに30名余りに出会っている(もう俗化しているやン!)。日帰りでよかった!と話しながら下るが、ジャンクションピークを過ぎた辺りからズボズボと雪を踏み抜くようになる。朝、あんなに堅かったのに…。念のため持って上がったワカンが役に立つ。スキー場上部まで下り、車の置いてある場所めがけて、支尾根を一気に下る。
一発必中!18時頃、無事車に下山。すでに周囲の山々には雲がかかり、車が走り出す頃には、パラパラと降り出していた。
今回も正解!しかし、滝まで下りられなかったことが悔しい。滝までの概要がわかったので来年は3月中に登ろうと決め、380円で中宮温泉センターをほぼ独占して暖まる。記.SY
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