2021年7月24日土曜日

大雪山(旭岳~富良野岳)縦走

 



21.7.18~21 メンバー.HU.EK.SY 
 大雪山系の主稜は、旭岳、トムラウシ、十勝の3つの火山群でできている。この3つを繋いで縦走するのが今回の計画である。

18日 仕事の都合で入山が遅れた1人を加えて16時に姿見平を出発する。3時間ほどで裏旭岳のテント場につく予定であるが、夏の北海道は日が長いため十分に行動できる。
17時近いというのに、軽装のハイカーが次々と山頂から下山してくる。中腹以上になってくると山腹はガスに包まれ周囲は全く見えない。勝手知った道なので不安はない。
 湿気を帯びたガスは、衣服を濡らす。約2時間で山頂に着き、そそくさとテント場目指してザレの急斜面を下る。途中からは、結構雪が残っており随分と歩きやすくなる。
 30分も下るとテント場につく。先客のテントが一張り。我々も付近にテントを張り、明日からの本格的な縦走に備える。

19日 真っ暗で、ホワイトアウトの中でテントを収納するが、フライシートをたたみ、ふと気がつくと、橫にあったテント本体が見当たらない。とても軽いテントなので、この弱い風に飛ばされた?と、一斉に風下に走り探すが、暗闇とホワイトアウトのため探す範囲が限られ見つけることができない。「明るくなってから探そう!」とフライシートをかぶり待機する。 
 やっと明るくなり探しに走るがテント場がコルのため、集まってきた風に持って行かれたようである。コルから東側は、灌木もないキレイな草原と雪渓が延々と続く。さらに雪渓は傾斜を強めながら遙か下方の谷に続いているようだ。視界は30m位で、もう諦めるしか仕方がない。
 気を取り直してコルに上がり、これからの方針を検討する。
1 テントがないので、避難小屋を使用するしか方法がない。
2 避難小屋と避難小屋の間隔が長いので、1日13時間くらい歩く覚悟で予定どおり全山を
 縦走する。
3 疲労や暗闇で行動が不可能になった場合は、フライシートでビバークする。
 以上の三点を確認し合い、本日の宿泊を「ヒサゴ沼」避難小屋に設定し、出発する。
 トムラウシ山までは、以前に1回通っているので体力さえあれば問題はない。途中「白雲岳」へも立ち寄り、登山道沿いに咲く高山植物を愛でながら歩を進める。
 化雲岳からヒサゴ沼へ降りるところに雪が残っていたが、問題なく9時間30分で避難小屋に到着する。

20日 今日の目標は、美瑛富士避難小屋。トムラウシから先は未知の部分なので楽しみもあるが、ヒグマに対しては少々の不安はある。
 トムラウシ北面の天池や北沼付近は西風が強く、ガスが絡みつき結構寒い。登山道も目印はあるが、大きな岩が積み重なっており歩きにくい。何年か前、ツアーのパーティーが遭難した状況が手に取るようにわかる。ガイドもメンバーもどうしょうもなかったのだろう。ここまで来て小屋に引き返すことも不可能だったに違いない。
 北沼からトムラウシ山頂までは、北西側斜面のひたすら登る。近そうで結構遠い。
 やっと着いた山頂も長居は無用で、早速急な斜面を下る。山頂の基部で、トムラウシ温泉へ続く登山道と分かれ「黄金ヶ原」「三川台」を目指して未知の部分に足を踏み入れる。この辺りは、登山者もほとんど来ないためか、広大なお花畑が良く保たれており、クマさえいなければテントを張ってのんびりと過ごしたところである。クマザサに覆われた道は、刈り払われており迷うことはないが、顔に当たるハイマツの枝がうっとうしい。コスマヌプリを過ぎると緩い下りが「二つ沼」まで続く。
 オプタテシケ山への登山道は、雪渓に覆われておりわかりにくい。若い1人の登山者が、我々が到着するのを待っており、一緒に登りたいようだ。それらしいところを選んで登ると、雪の消えた登山道に出会った。約1/4くらい登ったようだ。
 ここからがオプタテシケへの辛い登になる。美瑛町と新得町の境界である尾根に出ると、急に細くなり左側は遙か麓まで切れ落ちている。久方ぶりに気持ちの良い尾根だ。「オプタテシケの登りはきつい!」と聞いていたが、本物の登りであった。
 山頂から美瑛富士避難小屋までは、小さな登り下りを繰り返しながら徐々に下っていく。
避難小屋は、10人も入ると一杯になるプレハブの小屋であった。それでもテントのない身には助かる。
 この間出会った登山者は、交差した2人と、同方向への1人の計3人のみであった。

21日 縦走最後の日、いよいよ待っているのは十勝岳温泉のお湯と、アルファ化米以外の美味しい夕食だ。気合いが入る。前日までとは1時間遅い4時に出発する。
 美瑛富士は東面を巻いて美瑛岳とのコルに出る。昨日までかなりハードな行程であったが快調な出足である。美瑛岳には予定より早く到着する。今まで見えなかった十勝岳がその雄大な姿を現してくれる。ここまではお花畑の続く易しい山容であったが、山頂から眺める十勝岳は、草木を見つけることが難しい荒涼とした雄大な風景が広がっている。その中に十勝岳の山頂が天を突き上げるごとく鋭く聳えている。
 美瑛岳を後にして、ザラザラの斜面を下る。途中、よそ見をしていて岩につまずき、前向けに転倒する。とっさに岩を避けるが、たまたま右手に持っていたストックが邪魔をして右肩を岩にぶっつける。肩に痛みを感じるが、行動に支障はない。気を取り直して前に進むが、やはり昨日までの強行軍が効いているようだ。
 2歩進んで1歩下がるようなズルズルの火山砂の斜面を登り、十勝岳山頂に着く。茶色の殺伐とした斜面に3ヶ所の噴火口があり、白い煙を吹き出している。子供の頃テレビで見た噴火の様子が思い出される。
 十勝岳を過ぎ、荒々しいカミホロカメットク山を過ぎると上富良野岳、三峰山と、また高山植物の咲き誇る優しい山稜が続く。そしてこのコース最後の富良野岳を目指す。私は一足先に最低コルから十勝岳温泉に下山する。なんせ以前に2回も富良野岳に登っているので…。温泉に浸かって、綾部市在住の登山者と気楽に話をして、一休みしていると、2人が下山してきた。高山植物がキレイだったとか…「そらそうや!富良野岳は、花の100名山の一つなんやで!」                                                                    by kamemaro

参考:コースタイムは、体力により大きな差がある。トムラウシ、美瑛富士の間は相当な体力が必要。途中の二つ沼は、テント可能。水有り。
ハイシーズンには避難小屋は、満員になる恐れ有り。美瑛富士避難小屋は、8月初旬になれば水が無くなる。それまでは、5分ほど白金温泉への道を下ると手に入れることができる。そこに無くなれば、美瑛富士の東面にある雪渓を利用する。往復4~50分





2021年7月15日木曜日

加越国境 よろぐろ沢~桧沢下降

 6月12日 メンバー:TY. RY.他4名

打波川の支流に「よろぐろ沢」という変わった名前の沢があるという。梅雨の合間を縫って総勢6名で出かけてみた。

上小池のPに車を置く。先着が2名いたが、なんと2人とも大阪から…今日は関西からの沢屋ばかりが8名でよろぐろ谷を占拠するようだ。おまけに2人は知り合いの会社の社員、出張中の休みを利用して登りに来たとのこと。

小尾根を越えて桧沢に下りる。しばらく行くと沢いっぱいに白滝がかかる。左から越えると上にはキレイな滑床が続いている。次はどんな景色が?その上にはどんな滝が?と登っているうちによろぐろ谷の入り口を見過ごしてしまい、戻る羽目に。

気を取り直してよろぐろ谷に入るが、こちらは水量も少なく倒木や崖崩れで谷が荒れている。いくつも出てくる水量の少ない小滝は、コケが張り付いてヌメッており、小さいながら一苦労する。谷いっぱいに広がった高さ10m位のスラブの滝も同じように濡れており、取り付くこともできない。

 しかたなく巻くが、両側が立っており結構難しい。とうとう最後?の滝でどちらからも巻くことができず、左へ逃げて浅いルンゼから沢を登る。登るにつれヤブがひどくなり、ヤブ漕ぎに一苦労。赤兎から三ノ峰に続く縦走路に出たときは、ホッとした。

 杉峠へ向かう途中、白滝で遊んでいた大阪の2人に追い越される。彼らは、六本桧から一般道を上小池に下りると我々を追い抜いていった。さすがに早い…若い人は…。

 杉峠からは、予想していたよりも明瞭な踏み跡伝いに桧谷へ下りる。しばらく下流へ進むと、朝引き返した地点に降り立ち、キレイな滑床を十分に楽しみながら白滝に着く。

 白滝からは右岸に着けられた白滝観賞路らしい不明瞭な道を下山し、対岸に渡り、小尾根を登り返して駐車場に着く。大阪の2人は、もう下山したらしい。すごいスピードに驚く。記.S










2021年7月14日水曜日

台高山系 吉野川支流 武木川



 6月24日 EK.HU.TK.kamemaro

 ウイークデー休みのメンバー4人が、近くで行ったことがなく、京都から2時間弱の近場で、気楽に登れる武木川へ行く。
 車道が谷を渡る際に車を止め、早速入渓。最初に出てきた斜瀑に泳いで取り付こうとするが、前々日までの雨で少し増水した水に押し戻されあと一歩が進めない。2人が挑戦するがダメ。ここはと、ザックを置きEKちゃんが取り付くと、何とか登ることができた…さすがは沢乙女。
 ヘツリや直登はあるものの、目立った悪場はなく小滝を何とかこなして最後の大滝に着く。左を見上げると林道が真上まで近づいてきている。直登は無理なので、左の斜面から巻いて林道に登り着く。
 3時間弱の沢登りであったが、梅雨の晴れ間を上手く利用できた。
 林道を下り車の所まで来たら、猛烈な雷雨に襲われた。「運」が良いメンバーだった。


伯耆大山 鳥越峠~剣ヶ峰

6月19日 メンバー.HK.EK.NK.SY

 梅雨の合間を縫って行く場所を考えると、東よりも西方向の天気が期待できると言うことで、島根県の三瓶山と大山に行く。

 大山最高峰の「剣ヶ峰」へは、縦走ルートが通行禁止になっているので南面の三ノ沢ルートから登ることが知られている。これを往復することも面白みがないので、鳥越峠からキリン峰・槍ヶ峰のコースで登ってみる。このルートは崩壊が激しいので、登れるか否かは、行ってみなければわからない。

 文殊堂の駐車場から鳥越峠までは、昔の登山道を行くが少々歩きにくい。峠からはきつい樹林帯を登るが、台地状の所に着くと木々も低くなり、荒々しい東壁の上方にキリン峰や槍ヶ峰の姿が現れる。ダイセンギボウシの群落を越えると、尾根は靴幅程度になり、崩壊も激しい。極単に脆く細い部分をアンザイレンして登るが、小尾根に這い上がる所がボロボロで、慎重を要する。この上部にも細い尾根が続くが、問題になるところはなかった。キリン峰辺りまでくると高山の花が美しく、緊張を和らげてくれる。天狗峰で主稜の縦走路と合流。右方向の三鈷峰までの途中には1ヶ所、急で脆く細い部分がある。左の剣ヶ峰までは南壁の上部を慎重に進む。

 大きな礎石のある山頂からは、一般的に大山山頂と言われている弥山までの縦走路が俯瞰できるが、キリン峰のルートと比較すると、なんの問題もないように見える。ただこのルートを解禁すると、弥山まで登ってきたハイカーなどが入り込み、事故が多発することは否定できない。地元にとっては迷惑なことだろう。

 下りは、槍ヶ峰を過ぎた辺りから三ノ沢へ下る。水のないガラガラ、ザラザラの歩きにくいルートではあるが、転落の危険はない。沢筋へ下りてから、駐車場までが案外長かった。by kamemaro




北ア 上高地~槍ヶ岳~双六池~ワサビ平

23年 8月4日(金)~6日(日) メンバー:S.F  S.N  T.S  E.M  K.M  M.H  S.Y 4日 平湯からうまく1台のタクシーで上高地入りする。まだ観光客が出ていない時間なのでよく空いていて、気持ちが良い。木洩れ日の中、槍ヶ岳目指して出発。         ...