裏妙義の国民宿舎跡の駐車場で一夜を明かし、夜明け前にテント場を出発。30分余り歩いて、女阪登山口から分かれて星穴岳に続く尾根に取り付く。
最初は、歩きやすい尾根筋を行くが、P1まで来ると正面に岩場が現れ、右側のコケで滑りそうな岩場に、錆び付いて細くなった鎖が、これまた腐りかけた細引きにぶら下がっている。ルートは、この部分にしか取れないので、ロープで確保し騙しだまし鎖に力をかけないように登る。この尾根はこんな岩場の登りが山頂まで続く。
P2も右側にルートがあり、同じように登ると細い尾根に出る。尾根の突き当たりは壁になっており、右側に巻けそうではあるが怪しい。左下に踏み跡らしきものがあるので、少し戻りよく見ると細い踏み跡が、小さな左の尾根に続いている。踏み跡が行き詰まると、左へ懸垂下降で下り、P2.3間のコルに上がる。
P3は、大きな岩峰で尾根筋をかなり登り、左へ斜めに懸垂で下る。降りた所からは、壁を巻くように狭いバンドが続いている。困難さはないが、足下は100m近くの空間である。4人が立っている場所がない。すぐにトップがバンドのトラバースにかかる。バンドが終わると10mほどの斜面になる。落ち葉で足下が見えず、滑って怖い場所であった。尾根に乗ると星穴沢への下降用のスリングが、コルにある立木に残置されていた。
下降点と下部を確認してから星穴岳を目指して進む。左へ短いトラバースをすれば、山頂直下の尾根へ登ることが出来る10m位の岩場が待っていた。誰もが登り下りをするのか、立木や草付きはすべて落ちてしまい、丸い丸いツルツルの岩がむき出しになっている。右端の狭いクラックをYさんが登るが、底の柔らかい靴で手こずっている。左端にかかっていた、古い古いロープを補助を使い何とか登り切る。後の3人は、上から確保され、古いロープにプル-ジクでアブミを作って乗り切る。
登り切った尾根からは、3級程度の岩登り約10mで山頂の一角に立つことが出来た。山頂は、南北に細長く3方は、ストンと落ちている。横幅は、写真を撮ろうと橫に並ぼうとするが、2人分しか幅がない狭い山頂であった。記念写真を入れ替わり撮ってから、山頂を後に、懸垂で一気に岩場の下まで降りる。ここからスリップに注意しながら山頂とP3の間のコルまで戻り、40m位の懸垂3回と25mの懸垂1回で安全地帯まで下るが、落ち葉の雪崩で足下が全く見えず、岩の隙間にはまったり悪戦苦闘であった。
傾斜が緩くなり金洞沢と合流すると右岸に渡り、まもなくすると女坂道と合流する。テント場に戻ると、消防車やパトカーが停車しており、正午頃にもヘリコプターも飛んできたので、聞くとやはり裏妙義で事故があったようだ。
妙義山は、転倒したり足を踏み抜いたりすれば、転落は免れない山であるため、最後まで気が抜けない怖い山である。
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