メンバー:T.Y T.K R.Y S.Y
天候が心配されたが、美濃戸の駐車場に着く頃には星空の快晴となる。準備を整え赤岳鉱泉目指して出発。先週、氷っていた道は雪が薄く積もり、滑らず歩きよい。この一週間に、この辺りでも積雪があったようだ。
明るくなる頃、鉱泉に到着し、装備を装着して大同心稜を登る。何とか続いているトレースを確かめながら登るが、樹林帯を過ぎる辺りから強い風と雪に埋もれ判然としない。追いついてきた単独の方も含めて、交代でラッセルを続ける。
大同心の基部に着き小同心へのトラバースとなるが、トレースらしきものが所々に判別できるだけで、膝くらいのラッセルが続く。雪が落ち着いておらず緊張を強いられる。
小同心の取り付きに着いた頃は、予定の時間を少し過ぎており結構疲れもしていたが、ルートを目の前にするとモチベーションが上がってくる??…と言うのも100回以上八ヶ岳に通っているが、小同心クラックと三叉峰ルンゼをまだ登ったことがなく、今日そのひとつを登ると思うとワクワクしてくる。T.Yさんートップで、2パーティーに分けて登る。
1P ぼこぼこの岩が多く難しくはないがランニングビレーが少なく、岩の突起にスリングをかけたりしてランニングを取り、慎重に登る。狭いチムニー状を登る時、ハーケンの支点に掛けられたランニングのカラビナにどうしたことか、ザック左側ショルダーベルト末端の細いテープ部分がカラビナのゲートに入ってしまい外れない。しかたなく狭い場所で片手ずつザックを肩から外し、カラビナを外して事なきを得る。長い登山活動の中で、この時初めて狭い場所を登るときは、ランニングの位置に十分注意するか、カラビナのゲート部分が自分の方に向かないよう掛ける必要があることを学習した。ビレー点手前で一個所手前へ出っ張った個所があり、乗り越えるか、回り込む部分がポイントであったが、上がらない足を無理矢理に押し上げて乗越し、左へ回り込むとペツル3本が埋め込まれたビレー点があった。
2P 右の凹角へ戻り、大まかな岩場を登ると少しオーバーハングしたチムニー状の岩を乗越す。2~3mほどの登りであるが、慎重にアイゼンの爪を置く場所を観察してから取り付かないと、身動きが取れなくなる(右側の壁と、オーバーハングした岩の際に支点がある)。
オーバーハングを越えると、傾斜も緩くなり2ピッチ目のビレーポイントに着く。ここから簡単な岩場10mほどで横岳に続く雪稜となり、詰めると横岳山頂基部の壁に突き当たる。一部4級弱の部分を約40mロープを伸ばすと山頂に着いた(山頂の標識は、支点として十分な強度がある)。
富士山がキレイに輝き、ダイヤモンド富士を見るために年末に登った竜ヶ岳もよく見える。ここからは南へ赤岳、北へ硫黄岳へと縦走路が続いているが、強くなってきた風に向かって北へ硫黄岳経由で下山する。時刻は3時を過ぎているにもかかわらず、硫黄岳目指して登ってくる人が絶えない。聞くと、夕焼けの八ヶ岳連峰や南・中央アルプスを撮影するために登るとのこと。よい写真を撮ろうと思えば、それを目的に登る人がいるんだなぁと、改めて感心した。
夕闇迫る駐車場に着き、高速のPAで夕食を摂り車中泊を決め込み、翌日のアイスギャラリーに備える。
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